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【TBJ河村甚】なぜ今、リベラルアーツがビジネスの現場で注目されるのか――思考を自由にする力とは

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TEAM BUILDING MAGAZINE
https://system.teambuildingjapan.com/a/1693G53890F/123
470号      2025.11.20
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河村甚コラム「チームの社会科」では、組織づくりに携わる皆さんに知っておい
ていただきたい、社会で起こっている変化や事実をお届けします。

チームビルディングの視点から、河村が解説します。
社会の変化に適応できる力を付けていきましょう。

□■ 河村甚の『 チームの社会科 』 ■□

最近、「リベラルアーツ」という言葉をあちこちで耳にするようになりました。教育の場、企業の人材育成、大人の教養としてなど様々です。リベラルアーツは「教養」と訳されたりしますが、改めて語源をたどってみると、ただ雑多な知識の蓄積するということではありません。

リベラル(liberal)=自由にする
アーツ(arts)=技法・技

リベラルアーツとは、「多様な知見により自分自身を自由にしていくための技法」なのです。古代ギリシャ、ローマ時代に人々が考え、話し合い、社会を運営していくために必要な学びとして成立してきました。まさにこのコラム『チームの社会科』で実践したいことそのものです。

興味をもとに幅広く学び、好奇心と柔軟な視点で物事を見つめ、解決していくための土台。それがリベラルアーツの本質だと言えるでしょう。

複雑な課題に挑むチームに必要な「自由な思考」

現代の私たちが直面している課題は、どれも単純ではありません。社会課題も、組織の課題も、複雑で不確実性の高いものばかりです。こうした「正解のない問い」に取り組むために、いまこそ多様なメンバーの知識、経験、専門性を活かすチームの力が問われています。

未知の課題を解くには、多様な視点が必要です。そのためには、メンバー一人ひとりが幅広い知見と柔軟な思考をもっていることが欠かせません。かつては「学問を修めていること」が知の証でしたが、今の時代に求められるのは「教科書通りの知識」ではなく、「自分自身の思考を自由にする力」です。

それこそがリベラルアーツの学びであり、チームの知恵を発揮させる土台でもあります。

リベラルアーツが「つながり」をつくる

組織やチームの中では、専門性の高い人が集まっていても、互いの知識がつながらなければ新しい価値は生まれません。深い専門性に加えて、異なる分野や背景を理解できる「幅広い知見」を持っている人たちが集まることで、知識のサイロ化から抜け出し、知と知がつながり合うことが出来ます。

そのつながりこそが、イノベーションや進化の出発点です。リベラルアーツとは、まさにその「つながりをつくる力」を育む学びなのです。
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◆◆ 編集後記 ◆◆

瀬田すみ恵です。

チームビルディングジャパンでは、「チームの社会科」という視点をとても大切
にしています。社会で起きていることや、私たち人間の本質を知ることは、単な
る知識のインプットではなく、まさにリベラルアーツの実践です。

社会を理解することは、思考の自由度を大きく広げてくれます。視点がひとつ増
えるだけで、チームの可能性がぐっと伸びていくのを、現場で何度も目にしてき
ました。

これからの不確実な時代を、チームとしてしなやかに進化しながら歩んでいくた
めに――
一人ひとりがリベラルアーツの観点をもち、学び続ける姿勢でいることが、いち
ばんの力になるのだと思います。

引き続きチームづくりを深めるヒントをお届けしていきます。
『チームの社会科』を次回もお楽しみに。

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