TEAM BUILDING MAGAZINE
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474号 2026.1.15
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河村甚コラム「チームの社会科」では、組織づくりに取り組むみなさんにぜひ知っておいていただきたい、社会で起きている変化や事実をチームビルディングの視点で解説します。社会の変化に適応できる力を養っていきましょう。
□■ 河村甚の『 チームの社会科 』 ■□
それは本当に「仕事だから当然」なのか
── ベネズエラ侵攻に重なる、組織の直線思考
年明け早々、アメリカによるベネズエラへの攻撃という、驚くようなニュースが飛び込んできました。他国に対して武力による現状変更を行うことへの国際法違反という批判もあれば、長年国民を苦しめてきた独裁者の排除を歓迎する声もあり、さまざまな立場や思惑が入り乱れています。
このニュースを聞いたとき、正直なところ、私は大きなショックを受けました。ベネズエラ国内で行われてきたことも、アメリカが今回行ったことも、どちらも力を持つ側が、自分たちの論理を「正しさ」として掲げ、相手を従わせようとする。その構図が、あまりにも露骨に現れていたからです。
そして、この構図は遠い世界の問題ではなく、私たちの身近な職場でも起こっているものでもあります。
仕事の場は、本来「理性的な場」であるはずです。言葉で考え、対話し、合意をつくっていく場所です。それにもかかわらず、現実の職場では、怒鳴る、圧をかける、無視する、人格を否定する、立場の差を使って黙らせる。こうした行為はいまだに「指導」「厳しさ」「結果を出すため」と正当化されながら行われています。
このような「相手の尊厳・自由・安全を、相手の同意なく侵害する行為や力」は暴力です。身体的な暴力だけではなく、心理的・構造的な暴力も含まれます。
しかも厄介なのは、こうしたことが多くの「ちゃんとしている」とされる企業の中でも起きている、という現実です。
多くの場合、暴力をふるっている本人には、その自覚がありません。「どう考えても相手が悪い」「みんなのためを思って言っている」「これくらい普通だろう」
国家が「安全保障」や「正義」を掲げるのと同じように、企業の中でも、成果やスピード、正しさが、暴力を覆い隠してしまいます。その結果、組織の中では、人が萎縮し、会議では本音が出なくなり、考えることをやめてしまう人が増えていきます。
短期的には「統制が取れている」ように見えるかもしれません。しかし組織文化、組織の土壌は確実に内側から壊れていきます。
「言うことをきかせれば進む」「強く引っ張れば変わる」こうした直線的な発想は、国家でも、企業でも、個人でも、すでに限界を迎えています。
不確実性が高まる時代に必要なのは、命令ではなく適応です。統制ではなく、関係性です。
ここで重要になるのが「有機的な組織」という考え方です。
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◆◆ 編集後記 ◆◆
瀬田すみ恵です。
遠い国の出来事のように感じる話も、構造を見ていくと、
私たちの身近な仕事や組織の中にも重なる部分があることに、あらためて気づかされます。
「仕方ない」「仕事だから当然」
そんな言葉が、知らず知らずのうちに、誰かの声を小さくしてしまうこともあります。
それは、特定の誰かだけの問題ではなく、私たち一人ひとりが関わっていることなのかもしれません。
このコラムが、誰かを責めるためではなく、
自分たちの関係性や働き方を、そっと見つめ直すきっかけになっていたら嬉しいです。
2026年もTBJは、力ではなく関係性によって人が活きる組織とは何か。
みなさんと一緒に、考え続けていきたいと思っています。
『チームの社会科』、次回もお楽しみに。
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