TEAM BUILDING MAGAZINE
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445号 2024.11.28
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河村甚コラム「チームの社会科」では、組織づくりに取り組むみなさんにぜひ知っておいていただきたい社会で起こっている変化や事実をチームビルディング視点で河村が解説します。社会の変化に適応できる力を付けていきましょう。
□■ 河村甚の『 チームの社会科 』 ■□
〜効率だけじゃない!「思い」の共有が仕事を変える〜
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なぜ私たちは働くのか:思いを共有することの大切さ
前回のコラムでは、「決めない会議」についてお話ししました。この会議の目的は、何かを決定するのではなく、チーム内での情報共有や、気持ちをオープンにすることでした。今回は、その「共有」の中でも、特に仕事に対する「思い」の共有について掘り下げてみたいと思います。
多くの職場では、タスクは明確に定義され、役割も決まっていて、それぞれがやるべきことを理解しています。そして、日々そのタスクを遂行していることでしょう。しかし、実はその仕事に対する「思い」や「感情」までは、なかなか共有されていないのではないでしょうか。
私たちは、「タイパ(タイムパフォーマンス)」の時代に生きています。つまり、効率性が求められ、いかに短時間で多くのタスクをこなせるかが重要視される時代です。この効率性を追求する中で、時には「何のためにこの仕事をしているのか」「今自分が取り組んでいるタスクに対してどんな感情を抱いているのか」といった思いが置き去りにされてしまうことがあります。その結果、ただ「やらなければならないからやる」という感覚に陥りやすくなり、モチベーションの低下や、最悪の場合、メンタルの不調を招くことにもつながりかねません。
タスクをこなすだけでは足りない
多くの人が、「やるべきことは分かっていれば仕事はできる」と考えています。もちろん、それで仕事が回る場面もあります。しかし、何をすべきか(WHAT)が分かっているだけでは不十分なことが多いのです。仕事に向かう姿勢において、なぜそれをするのか(WHY)を明確にし、それを共有することが、実はチーム全体のパフォーマンスや個々人の幸福感に大きく影響するのです。
例えば、医療の現場で「患者さんの幸せのために」というミッションが掲げられていたとします。多くのスタッフはそのミッションを理解して仕事に取り組んでいますが、日常の忙しさの中で、「最近自分の仕事がこのミッションにつながっているのか分からなくなってきた」と感じることもあるでしょう。
ミッションが存在していたとしても、目の前のタスクに追われる中で、その思いが曖昧になり、迷子になってしまうのです。
「思い」を共有する場の必要性
こうした状況を防ぐためには、チームの中で仕事に対する思いを共有する場を持つことが重要です。「何のためにこの仕事をしているのか」「今感じている不安や期待は何か」などをオープンに話し合える場があることで、メンバー同士の信頼関係が深まり、それぞれがより自分らしく働けるようになります。そして、そうした思いの共有ができると、「もっとこうできたらいいのに」「こうしたらもっと良くなるかもしれない」というアイデアも自然と出やすくなります。
思いを共有する場がないと、誰もが自分の心の中に疑問や不安を抱えたままになってしまいます。それは、次第に心の負担となり、結果的にメンタルダウンを引き起こすこともあります。また、思いが共有されないままだと、組織の一員としての意義が見えなくなり、離職の原因にもなりかねません。
なぜ?を共有することで生まれる力
私たちが共有すべきなのは、単なる仕事のやり方やスケジュールだけではなく、その背景にある思いや理由などの背景です。表面のタスクや結論だけでなく、その背景ををチーム全員で話し合うことで、「このためにこの仕事をしているんだ」という共通の理解が生まれます。文章で背景にある思いや経緯などを伝えることはもちろん大事ですが、それ以上に、お互いの言葉で語り合い、それぞれの背景にある思いや考えを深く理解することが重要です。
これにより、ただ「仕事をこなす」集団から、共通の目標に向かって力を合わせる仲間になります。例えば・・・
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◆◆ 編集後記 ◆◆
瀬田すみ恵です。
目の前のタスクに追われていると
その仕事がどのように役に立っているのか、
誰の喜びや助けにつながっているのかを
想像する余裕すらなくなることもありますよね。
自分たちの仕事に誇りをもって取り組むためにも
何のために仕事をしているのか
普段どんな気持ちで仕事をしているのかを
折に触れてチーム内で共有できるといいですね。
河村甚の『チームの社会科』を次回もお楽しみに。
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